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オリジナル小説『私イズム!』第16回。

第15回はこちら。


第五章

[ダメージの小さな技でも、積み重ねれば大ダメージ] その1


 チココの開幕ダッシュ!
 トイズは、定番行動のバックステップを見せる!

(良し!読みどおりです!)

 バックステップの終わり際には僅かに隙がある。
 距離によってはそこを攻撃する事も可能だが、開幕の距離では少し難しい。
 だが、状況としては有利!
 しかし愛名は、ここであえてガードを選択する。
 そこへ、トイズの『ガンアッパー』!
 出始めに無敵時間のある、トイズの主要技の一つだ。
 下手に手を出していたら、逆にこれをくらっていた!

(ここまで…読んでましたよ!)

 ガードした愛名は、隙に[弱攻撃]→[中攻撃]→[強攻撃]→[お掃除です]の連続技を入れる!
 以前の愛名なら、ここでダウンを奪って起き攻めをしていた。

 だが、今は違う!

 [お掃除です]に[モースト]をかけ、ダウン前の少し浮いている相手に『叩き付け』を当てる!

『えいやぁぁぁぁあ!』

 チココの叫びと共に、トイズの体がバウンドし、さらに追撃!
 [中攻撃]→[しゃがみ強攻撃]→ジャンプ→[ジャンプ弱攻撃]→[ジャンプ中攻撃]→二段ジャンプ→[ジャンプ中攻撃]→[ジャンプ強攻撃]→[ジャンプ武器攻撃]→[窓拭きます!(空中版)]まで!

 [窓拭きます!]は、窓拭きと言うよりも、雑巾を持った手で殴りつける技だ。

 ちなみに、チココには、掃除の時に窓を雑巾がけしようとすると、力を入れて拭きすぎるのでほぼ確実に窓を割ってしまう、と言う設定がある。

 それはそれとして。

 二段ジャンプをせずに[ジャンプ叩き付け]を決めれば起き攻めに入る事も出来るのだが、ベストなタイミングでは無いので避けられ易いうえに、ノーゲージの無敵技があるトイズに対しては、逆にダメージをくらうリスクもある。

 それを考え愛名は、あえて起き攻めよりもダメージ重視の連続技を決めた!
 それにより、トイズの体力を、約三割奪う!

(よし、出だしは上々です!けれど、油断は禁物!)

 先に着地したチココは、その場で[お食事の用意です]を出す。

 テーブルクロスを「置いておく」事によってトイズの攻めを制限しようと言う意図だ。
 空中で体勢を整えたトイズが、そのまま上から攻めてくるようなら、逆にテーブルクロスがヒットして、そこからさらに連続技を入れる事も出来る。

 ……だが、燕もそれは理解しているのか、直ぐには攻めずに、距離をとって着地する。

(さすがにこれは引っかからないよね……いったん仕切り直しです)

 距離をとってしまえば、他のキャラならいざ知らず、トイズにとっては、テーブルクロスはそれほど邪魔な存在ではない。

 まず、[精密射撃!角度C!]を当ててテーブルクロスを消す。

 [精密射撃!]は[角度A]から[角度D]まであり、Aは真上、Bは斜め上、Cは正面、Dは斜め下、に銃を向け弾丸を発射する技だ。

 この技を使いこなすのが、トイズ使いとしての必須条件になっている。

 安易に撃ちまくるだけでは、簡単に隙を突かれてしまう。
 いかに相手の動きを読み、ベストな角度を選択するか。
 トイズが、センスと経験がモノを言うキャラだといわれる所以だ。

 そして、そのセンスが圧倒的だからこその「未来視の銃口」!

 僅かな時間、じりじりとした読み合いでお互いに動きが止まったが、愛名が思い切って動く!

 選択肢は大きく二つ!

 トイズ側は、[角度B]か[角度C]。
 チココ側は、ダッシュが、ジャンプかだ。

 [角度B]で斜め上に撃たれた場合、真っ直ぐダッシュすると下をくぐって近付ける。
 [角度C]の場合は、ジャンプをすれば飛び越える事が出来る。

 確立は二分の一!

 愛名の選択肢は……ジャンプ!

 だが、燕も[角度B]!

「あっ…!」『きゃう!』

 愛名とチココの声が重なる。
 見事なまでに跳ね返されるチココ。

(未来視……伊達じゃあないですね…!)

 次の瞬間、トイズが[特殊弾装填]!

 これで、状況は大きく変わる。

 [特殊弾装填]をすると、その後の[精密射撃!]が二発だけパワーアップする。
 [角度A]と[角度D]が、跳弾するようになるのだ。

 真上に弾を撃つ[A]は、画面の上部に当たると、そのまま下に戻って来て、さらに上へ。
 相手に当たったりガードされたりしなければ、これを三往復繰り返す。

 こうなると、それが壁となって近付くのは非常に難しい。

 [D]も、斜め下に発射された弾が斜め上に、そしてまた斜め下に、と繰り返し、かなり広い範囲に攻撃を仕掛けることが出来る。

 そして、残りの[角度B]と[角度C]は兆弾しない代わりに2ヒットするようになり、威力が上がるうえに、状況によってはさらに追撃が入る事も……。

 そんな、かなり強力な特殊弾だが、[特殊弾装填]は隙が大きいので、そうそう簡単に使えない。

 つまり、二発耐えればまた二択勝負に戻る!

 チココは、トイズから離れた位置で、的を絞らせないように動き回る。
 [角度B]と[角度C]の当たらない位置をキープするのも忘れない。

 その二つは2ヒットするので、ガードしただけでも、その間に再び[装填]されてしまうからだ。
 ジャンプをしつつ、[角度C]の軌道よりも高く、[角度B]が当たる高さより低い位置で空中バックダッシュ。
 地上では、姿勢が低くなり、[角度C]をかわせる足払い。

 それらを上手く組み合わせつつ、相手を惑わせる。
 トイズは狙いを定めかねているのか、まだ撃ってこない。

 ………これは逆に、攻めるチャンスかも…?

 愛名は思い切って、空中バックダッシュではなく、前方に空中ダッシュ!
 一気に距離を詰める!

 ――――しかし!そんなに甘くは無い!

 狙い済ましたかのように、再びトイズの[角度B!]

「いけない…!」

 思わず声を上げる愛名。
 画面上では、近距離で特殊弾が2ヒットした後に、トイズのジャンプ攻撃がヒット!

 そのまま連続技が入り体力を二割強奪われ、さらにはダウンを奪われる!

 トイズの起き攻め!

 トイズは、ダウンしているチココに最大まで近付いて、[角度A]を放つ!
 そして、トイズ自身は[しゃがみ弱攻撃](下段)を重ねる。

 当然これをしゃがみガードするチココだが、直後に上から、跳ね返ってきた[角度A]!

 [角度A]は、跳弾で降りてきた時は立ちガードしないと防げない中段攻撃になっている!

 さらにトイズが下段攻撃を続けて出せば、下段、中段、下段、となり、非常にガードが難しい連携に!
 この起き攻めは、状況さえ整えば、下段と中段が同時にヒットする、ガード不能攻撃にもなる強力なテクニック。
 幸い、空中連続技の後のダウンだと同時攻撃にはならない。……だが、非常に厳しい連携であることには間違いない!

 まずは、立ち上がり[角度A]をガード!
 そこへトイズの次の一手!
 愛名は、下段が来ると読んでしゃがみガード。
 ……が、トイズは裏をかいて、中段の[レバー前入れ中攻撃]!

「………っっ!!」

 愛名が声にならない叫びを上げる中、その中段に[モースト]をかけ、そこから連続技が入る!

 [弱攻撃]→[中攻撃]→[強攻撃]→[足払い]→[激!炸裂弾っ!]まで!
 [激!炸裂弾っ!]はゲージ技でダメージが大きい。

 今の攻撃でさらに三割強の体力を奪われ、チココの体力は三分の一程度しか残っていない!
 しかも、チココが吹っ飛んでいる間に、再び[特殊弾装填]。
 再度、遠距離の駆け引き。
 確実に燕トイズのペースだ。

(このままでは……!)

 愛名チココとしては、何とか近付きたい。
 じりじりとした牽制合戦。
 愛名は思い切って少し距離を詰め、飛び道具[ご、ごめんなさい]を出す。
 だが、トイズは[角度C]で迎撃!
 特殊弾の[角度C]はニヒットなので、一ヒット目が[ご、ごめんなさい]を相殺して、チココ本体に一ヒットする。
 ダメージはそれ程でもないが、その隙に再び[特殊弾装填]。

 こうして、隙さえあれば常に特殊弾を二発撃てる状態に保つのは、トイズ使いのセオリーとも言える行動だ。

 連続技も起き攻めも大幅にパワーアップする特殊弾を保つ事は、それだけで相手に大きなプレッシャーを与える事が出来る。 
 事実、愛名チココは完全に攻めあぐねていた。

(くっ……動かなきゃジリ貧になる一方です……一か八か、攻めるしかないっ!)

          
       第17回につづく。

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