・今日語りたいアニメ。(ネタバレあり
『新世界より』 25話 最終回
地面を石で叩く早季……相手を誘い出しているのか、それとも「何回叩いたらこう動く」という作戦の合図なのか……両方ですかね?
そして語られる、真理亜の子供が悪鬼では無い、という根拠。
「なぜ、野狐丸たちは無事でいられるの?」
「薬物とかでコントロールしてるんじゃないか?」
「そんな事が出来るんなら、富子さん達がとっくにやってる」
確かにそうですよね。
バケネズミ側がミノシロモドキを持っていて、それで知識や文化を発展させていたとしても、それは人間側だって上の方の人は持っているで有ろう知識なのでしょうし。
科学技術があまり日常生活で使われて無いのは、呪力が有るから使う必要が無いから…?
あとは、あえて科学技術が発展しないようにしている、って思惑もありそうですけどね。
それこそ、サイコバスターのような科学技術による殺人が起こらないように。
それはそれとして。
「でも、攻撃抑制も愧死機構も無効なんだぞ」
「無効じゃないんだよ……たぶん。生まれてすぐ引き離されて、バケネズミに育てられたんでしょ?自分をバケネズミだと思ってるハズ」
「アイツの愧死機構は人間じゃなくて…」
「我々バケネズミに対して…?」
そうか・・・・・・そういう事なのですね!
って事はそもそも、愧死機構ってのは後天的に付けられるものじゃなくて、人間の遺伝子に埋め込まれていて、そのまま親から子へと遺伝するようなものなのですね。
そしてそれは、「同族への攻撃」に対して反応するのか……。
なんか、そう考えると凄い曖昧な気もしますが、思い返せば、バケネズミが人間っぽく見えた、というだけでも反応しましたし、ミノシロモドキが死ぬ時に人間の映像を見せる場面もありましたよね。
映像にすら反応する……つまり、「思い込み」や「印象」によって左右されるのですね愧死機構は。
逆に言えば、人間を「同族」だと思っていなければ、人間を攻撃する事が可能・・・・・という理屈か、なるほど。
しかしそれは逆に言えば、バケネズミを殺させれば……?

その為の作戦として、顔を隠した奇狼丸が前に出て突進!
この場面で右手を動かして……

次の瞬間にバケネズミが呪力で死ぬ事で、奇狼丸が呪力を使う人間だと思わせる作戦!
たぶん、後ろを走っている早季か、どこかに隠れて見ている覚が奇狼丸の動きに合わせて攻撃したのでしょうけど……真理亜の子はそれに気づかない!
たぶんスクィーラは、あえて高い知能を与えないように最低限の教育しかしていなかったのでしょうけど、それがあだになって、敵の作戦を見破るところまで考えが至らなかった・・・・・のですかね。
……けど、バケネズミを殺させて愧死機構を・・・・という作戦と言う事は――――

うあああああーーー!!奇狼丸ーーー!!


この飛び散る血飛沫からの、流れ落ちる血液の作画が素晴らしいです。
というか、最終回だけあって本当に作画素晴らしかったです。
何度も見惚れました。

ここで――隠していた顔を見せ、殺したのは同族のバケネズミだと、印象付ける……。
けど、酷いよ……!
結局、奇狼丸は捨て駒じゃないですか……と思いきや……
「これが終われば、おそらく町の方々は全てバケネズミを駆除せよ、という意見に傾くと思います。しかし、我が大雀蜂コロニーの女王だけは救ってください。コロニ―の構成員全ての命で有り希望である……我が母だけは…!」

そうか・・・・仲間の為に、コロニ―の為に…母の為に。
奇狼丸は、全てを理解したうえで犠牲を買って出たのですね……安らかな顔をしておられる…。
少なくとも奇狼丸にとっては、部下の兵たちやコロニーのバケネズミたちはただの手駒ではなく、仲間であり家族だった……バケネズミにもちゃんと、仲間を思う気持ちが有った。
町の人たちが言うような、下等な存在ではないと、自らの死で証明したような気がするなぁ……。

そして―――愧死機構の発動。
これで、終わりか……気づいてさえしまえば、こんなに簡単な事だったのか……けれど、その「気付き」に至るまでの道には多くの犠牲が有って……だからこそ……だよなぁ・・・・と。
そこへ駆けつける覚。
「よく頑張ったな…やっぱり、早季は凄いよ」

「ううん…瞬が教えてくれたのよ…」

「瞬…?瞬って…………――――――!!」
思い出した!? 覚も、瞬の事を…!!

ここでもうなんか泣きそうでしたよ…!
開始三分半で!

さらにはここの回想が……。
確かに人類は救われたけど、事実として残ったのは、真理亜と守の死、そして―――その子供をも、殺してしまったと言う事実――――。
切ないなぁ……救われたけど、救われないよ…。
「もし普通に町で生まれていたら、きっと とても愛らしい…利発な少女に育っていたに違いない」
・・・ああ、やっぱり性別は女子だったのですね。
「叶わぬ事だったとは解っている、でもせめて最後だけは、人間として迎えさせてやりたかった」
「……あの子には何の罪もなかった」
けれど、あの子が普通に生きる…いや、そもそも普通に生まれる権利すら奪ったのもまた、人間なんですよね……あのままだったら守は処分されて、生まれることすら出来なかった可能性だって有ったのですから…。
でも、あの時に二人が逃げずに素直に町に戻っていたら、本当に富子様がなんとかしてくれて、こんな悲劇は起こらずに済んだのでしょうか……ほんの僅かなすれ違いが、この結果を生んだとすれば、それはあまりにも悲劇ですよ…。

一方、切り札を失い、拘束されるスクィーラ…。
「なぜ人間に反逆したの?」
「我々は奴隷ではないからだ」
「……奴隷より悪いかもしれない」
まあ確かになぁ・・・奴隷であろうと、人を殺せばそれはやっぱり罪…なのだろうけど、バケネズミは殺しても罪にすらならないような存在、扱いな訳で・・・・・。
前回の奇狼丸も言ってましたけど、知性のある生き物ならば、「種の存続と繁栄」は当然の欲求・欲望なのですから、それが決して叶わない事のもどかしさは有るでしょうともさ。
そんな中で、もしかしたら打開できるかもしれない可能性を手に入れた・・・・・ここで行動を起こす事は、必然だわなぁ…。
もちろん、スクィーラに権力欲が有ったのもまた事実なのだと思うのですが。
「全ては、我が同胞のためだ」
さすがにそれは、詭弁じゃないかね。
結果的に、同胞のためで有るのも事実なのでしょうけど。
最後の謝罪のくだりとかはなんか……決して解り合えない溝を感じましたよ。
でも、こうなるともうスクィーラが絶対に悪だとも思えなくなるんですよねぇ……。
そんな中、行われるスクィーラの裁判……。
「獣でないとしたらお前はなんなのです!」

「私たちは人間だっっ!!!」
この言葉の真意がどこにあるのかはともかくとして、もはや死を待つしかないスクィーラが、それでも最後まで決して折れずに振りかざした矜持を、平然と嘲笑う人間側に薄気味悪さと恐怖を覚えましたよ・・・・・。
結局この、バケネズミをただの下等な生物としか見ていない態度が、今回の悲劇を生みだしたと言うのに……それをまるで改めるつもりもなく、そんな事など欠片も考えが至らず、圧倒的に相手を見下している・……。
さらには、あっさり殺さず、苦痛を与えてじわじわ殺すという判決。
それに対して歓声を上げる傍聴人(?)たち……。
なんか……気持ち悪いな。
「残酷な復讐をする事に、意味が有るのかな……

なにが正しいのか・・・・・わからない」
正義は、どこにあるのか。
っていうか、スクィーラの刑罰がもう辛すぎて……少なくとも、それは正義じゃないだろう?
・・・とか思っていたら……

「公一」「公二」「公三」……「サラミ」。
……サラミ!?(笑
急にサラミ!?なんか笑っちゃったじゃないですか!
まあそれは置いといて。
異類管理課の課長になった早季は、奇狼丸との約束を守ろうとしているのですね……良かった、ちゃんと約束を守ろうとしてくれて。
――――しかし、ここで語られるバケネズミの真実――!!
バケネズミの名前の由来・学名の候補・そして…染色体……そして、どこかへと消えた、呪力を持たない人間…………!!!!!

「呪力をもった人間は、呪力の無い人間を支配してきた。でも、攻撃抑制と愧死機構のせいで、立場は逆転する。呪力の無い人間は、自由に人を殺せるから」

「それで邪魔になった人たちを、獣に変えたのね…」
「呪力の無い人間を、攻撃抑制や愧死機構の対象外になるまで貶めるために、ハダカデバネズミの遺伝子を組み込んで、獣に変えたんだ…特権階級の地位を約束するためにね」
――――――――――…………!!!!!!
恐ろしい・……戦慄したわ・・・・・。
それは……それはあまりにも…エゴと言う言葉すら生ぬるい。
自分たちの優位性を保つためだけに、人間としての尊厳だけでなく、姿形さえも奪ったのか……。
スクィーラは呪力を「悪魔の力」だと言ったけれど、本当に悪魔的なのは呪力ではなく、人間の強欲さだよ…。
ってか、人間側は呪力を「神の力」だと言い、バケネズミは「悪魔の力」だと言う。
なるほど、道理ですね。
その力ゆえに、人間は神であり、バケネズミにとっては悪魔でしょうとも。
「私たちは人間だっっ!!!」
スクィーラのこの言葉も、短くて単純な言葉だけれど、だからこそ深く重いです。
自分たちのルーツを知っていたのでしょうね……。
そういえば…えーと…何話だったか…(調べ中)…21話ですね。
そこでバケネズミの兵士が言っていた、
「我々は高い知能を持っている、本来ならお前らと平等に扱われるべき存在だった」
「もはや、お前たちを地上から一掃する以外に、我らの誇りを回復する道は無い」
という言葉も、あの時は解りませんでしたけど・・・・・兵士たちにも話が伝わっていたのだとしたら、納得できますね。
かつては自分たちも人間だったのに、こんな姿に変えられて奴隷のように扱われている……そう考えたら、革命のために命も賭けましょうとも。
あまりにも理不尽な、この現実を打ち滅ぼす為に。
「いや、彼らはやっぱり人間じゃないんだ……同胞として見れるか?」
覚……それは…そう思えなくなるまでに彼らを改造した訳で……。
けれど、だからこそ、その言葉が真実なのだろうなぁ……。
解っていても、もう変えられない。
世界が、そういうふうに完成されてしまっている……そういうことだよなぁ…。

それでも、早季がここでスクィーラに語りかけ、規則を破ってでも、死と言う形で救いを与えたのは……世界を変えるための、第一歩・・・・・なのかな。
そのために、動き出す早季。
コロニー存続のために頭を下げるのは、奇狼丸との約束を守るためだけでなく、バケネズミとの、本当の意味での共存への道を歩むためだと思いたい。

って、結婚!?さては結婚だな!
覚が異様に照れてるのが可愛いぞ こんにゃろう(笑
からの十年後―――

可愛いっ!ちび不浄猫かわいいっ!!
なんだろう・・・・・悪鬼を殺す為、とかじゃなくて、ペットとしても飼えるために育ててる……とかだと微笑ましくて素敵だなぁ……。
なんならアニマルセラピー的なやつで、ボノボ行為以外にも心の安定を図る試みに、この可愛い不浄猫を使うとか、そういうのだったら良いですね。

ここで、遠藤 綾さんボイスの早季!36歳!
そうか、今までのストーリーは基本、この早季が書いていた手記、みたいな感じなのですね。
だから、ナレーションがこの遠藤綾さんボイスでしたか。

「この子が大きくなるころには、もっと良い社会になってると良いわね…」
「・・・・・大丈夫、ぜったいそうなるよ…」

「恐怖の対象から、希望へ……」
子供が、いつ悪鬼になるのかと恐怖を持って見張る対象ではなく……ただ純粋に、未来へ生きる希望であれ…!
現状を維持するために、必死になるのではなく、より良くするための光であれ…!

…ああ、お久しぶりの天野麗子…!



「早季…そろそろ行こうか」
守、真理亜、瞬……失われた物の大きさに報える未来へと――――。

最後のメッセージに込められた想い……うん、色々思う所は有りますが、あえて何も言いませぬ。
これに関しては、見た人 ひとりひとりが、この作品を見て、最後にこの言葉を見て、そして何を感じたのか。
それぞれに思った事が、きっと正解だと思うのです。
この言葉から何を「想像」するのか。
そうして生まれたモノが、あなたの「世界」ですよ、きっと。
―――…うん、なんか、良い事言ったっぽい雰囲気で終わります(笑
…しかしまぁ、面白かった!!面白かったです!!
1話からずっとメインで感想を書き続けて良かったと、最後まで見て今心からそう思っています。
感想を書く事で、しっかりと真剣に作品に向き合えましたからね。
お気楽に見て楽しい作品も大好きですけど、こうして正面から真っ直ぐ作品を受け止めて考える作業も実に楽しかったです。
そうするだけの価値が、この作品には確実に有りましたしね。
設定だけで震える作品って そうは無いですよ。
そのうえで、その設定を活かして作り上げたストーリーの凄さ。
その原作を、見事に映像化したアニメスタッフの皆様の素晴らしさ。
映像をさらに引き立てる音楽、音響の見事さ。
命を吹き込んだキャストの皆様の演技。
全てに ただただ、感服しました。
本当に、素晴らしい作品をありがとうございました!
お疲れさまでした!!!
そうだ、これだけガッツリ感想書いた作品はわりと久々なので、最終回記念に、今までの感想へのリンク貼っときます。
今読むと間違ってる部分とかも多いと思いますが、その時の素直な感想なのでご勘弁を。
1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話
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・一言感想。
『ちはやふる2』 11話
机君・…格好良過ぎるじゃないですか!
試合に出るばかりが戦いじゃあない・・・・・けれど、それでも…選手として!!
くはぁ、熱いです!
『ビビッドレッドオペレーション』 11話
カラスめぇ……。
ってか食われたーーーー!!
『絶園のテンペスト』 23話
葉風さんの可愛さがとどまるところを知りません。
・・・・・・ってぇ!吉野ーーー!!
ど・・・どういう・・・ええ!?次回最終回!?
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・あとは・・・なんもないです!
っていうか、感想書くのに時間かかった・・・・・。
なんだかんだで、もう朝の7時ですよ…。
4時くらいから書き始めたので、3時間……。
まあでも、どんなに時間使ってもちゃんと書きたかったので、良しです!
ではでは、本日はこれにて失礼します。