・今日語りたいアニメ(ネタバレ
『バビロン』 7話
いやぁ……何から感想書くべきか迷うくらいの凄い回でしたね……。
とりあえずまずは、齋と息子の話ですけど……なるほどなぁ、息子に心臓を移植するために自殺を合法化したい、という方向性に話を持っていくのですね。
確かにそれだと同情票や賛同票が入りそうですけど、完全に論点をすり替えられましたね。
論点というか、選挙の争点というか。
自殺そのものを良しとするかどうか、という話だったはずなのに、「移植のための自殺を良しとするか」という話になってしまった。
それだと話は変わってくるけど、争点を一つに絞ることで全体を曖昧にするのは、政治の世界ではよく見ますね。
さらに言えば、「この子を助けたければ自殺法に賛成してください。反対すると言うことはこの子が死んでも良いと言うことですね?」というプレッシャーをかけられるようになるので、反対票が入れづらくなる……。
齋は実に巧みな政治家ですねぇ…。
……からの、続々と連絡が途切れていく正崎の仲間たち…。
九字院までも……なんて幸せそうな自殺なんですか。
その前の話からしての、射精の暗喩のように発射される銃。
すれ違ってささやいただけで、人を自殺に至らしめる曲世の能力どうなってんすか……。
かと思いきやぁあぁぁ!!
瀬黒さん……ああ、辛い。キツイ、エゲツナイ。
一番効果的に正崎さんの価値観をぶっ壊しにかかりますね……家族に手を出すと、それはそれで怒りと絶望で満たされ過ぎてしまうかもしれないと考えると、九字院さんと瀬黒さんをこういう形で失わせるのが一番シンプルなダメージとしてはデカいと考えたんですかね…?
家族という「守るもの」が無くなってしまったら、怒りにも復讐的にも精神的にも「狂う」ことが出来るけど、家族という「守るもの」が存在するうちは狂えない。狂ったら守れなくなるから。
つまり、正気を保ったまま、狂った相手と対峙し続けなければならないということ……これは正崎さんキッツイですね…。
悪い事は悪いからしないのだ、という善人。
悪い事は悪いからするのだ、という悪人。
善悪の判断、という価値観は同じだと言いながら、わかっていながらも悪いことをするから悪人なのだと。
「悪い事が好き」なのだとしたら、それは悪として断罪するべきなのか。
しかし「正義」は、それを止められない。
正義ってなんですかね?
やー……凄いですね、凄い作品です。
ただ、ここへ来て続きは12月末って!!なんで一か月も!?
万策尽きた……って感じもしないんですよねぇ、作画はだいぶ安定してますし。
そうなると、表現規制との闘いとかだったりするのでしょうか……今回の話でも冒頭に注意書きが入りましたし、年齢制限なしで放送して良いのかどうかみたいな。
ただ、この作品たぶん規制したら魅力半減のような気がするんですよね。
正崎に、そして視聴者に、価値観の変質、パラダイムシフトを起こさせるためには、目の前で起こっていることのエグさや残酷さが「伝わる」というのが強い武器で。
そこを隠すなら説得力が薄れますしね……。
とは言え、登場人物を飛び越えて、これを見た視聴者にまで影響を与えて価値観をぶっ壊してしまうと、いろいろと問題が起こる可能性もありますからね……作品見て自殺しました、みたいな人間が現れたら目も当てられない。
ただ、ぬるいやり方や説得力を感じない言葉で正崎が心変わりしてしまったら、それはもう作品としての死ですし。
見せ方が難しいですねこのアニメは……けれど、そこに見事なまでに挑んで、そして今のところ成功している。
ここからをどうするか、慎重に考える時間としての1か月なら、そりゃ受け入れますよ。
なにか、とんでもないものを見ている気がします。
歴史の一編に残るようなアニメが生まれようとしているような、そんな予感が。
それも全て、ここからの展開と、どんなラストを見せてくれるのかで決まるのでしょう。
楽しみにしています!!
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・一言感想
『私、能力は平均値でって言ったよね!』 7話
みんなが水着に着替えて出てくるシーン、笑ってはいけないの最初の着替えシーンパロディですかね(笑
でもって、水着回では泳がずに浅瀬でキャッキャウフフしろ、というのはまあ、言わんとすることはわかります(笑
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・あとは…まあ、特に無いです!
ではでは、本日はこれにて。